相続不動産の売却で気になる税金は?基本から特例まで流れを解説の画像

相続不動産の売却で気になる税金は?基本から特例まで流れを解説

不動産相続

髙谷 千賀子

筆者 髙谷 千賀子

不動産投資をすることで自身の生活に潤いを持てたことが不動産会社を興した理由です!
投資の世界で「卵を一つの籠に盛るな。」という言葉がありますが、収入の柱は何本もあった方がいいと思いますし、その中で投資の必要性をとても感じていましたが、投資の中でも不動産投資がとても面白く事業として考えられたので、ぜひ不動産投資の良さを周りの方々に知っていいただきたく活動しております!


相続した不動産の売却を検討している方の中には、「税金がどのくらいかかるのか?」「特別な制度はあるのか?」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。不動産を相続して売却する場合、思わぬ税負担が発生することもあるため、事前に知識を持つことが大切です。この記事では、相続不動産の売却時にかかる主な税金の種類から、節税につながる特例制度、税金の目安、必要な手続きまで、わかりやすく丁寧に解説します。あなたの不安や疑問を解消できる内容となっていますので、どうぞ最後までご覧ください。

相続した不動産を売却する際にかかる税金の全体像を理解する

相続した不動産を売却する際にかかる主な税金には、以下のような種類があります。まず、不動産売買契約書を作成するときに必要な「印紙税」があり、次に、売却によって得た利益にかかる「譲渡所得税(所得税および住民税)」があります。さらに、売却前に必要な登記手続きに伴う「登録免許税」も発生します。これらを全体として整理しておくことが大切です。

税金の種類 課税対象 特徴
印紙税 売買契約書に記載の契約金額 契約書作成時に収入印紙を貼付し、消印することで納税
譲渡所得税・住民税 売却益(譲渡所得) 売却益に応じて税率が異なり、取得費や譲渡費用、特別控除で調整
登録免許税 相続登記や抵当権抹消登記にかかる登記費用 固定資産税評価額に一定率を乗じて計算

印紙税は、契約書の記載金額に応じて段階的に税額が増えます(例:5,000万円超〜1億円以下は本則6万円、軽減措置で3万円)。譲渡所得税・住民税は、譲渡所得を「収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除」で算出し、その所得に対し所有期間に応じた税率をかける仕組みです(所有期間5年以下:短期譲渡・約39.63%、5年超:長期譲渡・約20.315%)。登録免許税は、相続登記では固定資産税評価額の0.4%、抵当権抹消登記では1件あたり1,000円程度が目安です。

納税のタイミングにも注意が必要です。印紙税は契約書作成時に納付し、譲渡所得税は売却した翌年の確定申告(通常は3月15日まで)、住民税は翌年6月以降に納める必要があります。登録免許税は登記手続き時に納付します。

節税につながる代表的な特例制度を押さえる

相続した不動産を売却する際に活用できる代表的な節税制度には、「3000万円特別控除(空き家特例)」と「取得費加算の特例」があります。まずは、それぞれの概要と適用条件をご説明します。

特例制度名 概要 主な適用条件
3000万円特別控除(空き家特例) 被相続人が居住していた家屋・敷地を売却した際、譲渡所得から最大3000万円控除できます。 - 被相続人が生前居住していたこと
- 売却期限は令和9年(2027年)12月31日まで
- 耐震改修または取り壊し等が必要
- 売却先は第三者で対価は1億円以下など
取得費加算の特例 相続税額の一部を取得費に加算することで、譲渡所得を減らし、税額を軽減できます。 - 相続・遺贈による財産取得であること
- 相続税が課税されていること
- 相続開始日の翌日から、相続税申告期限の翌日以後3年以内に売却すること

上表のように、両特例とも大きな節税効果がありますが、それぞれ条件や適用期限が異なりますので、売却の状況に合わせて使い分けが必要です。

まず「3000万円特別控除(空き家特例)」について詳しく見ていきます。被相続人がかつて居住していた家を相続人が売却する場合、譲渡所得から最大3000万円を控除できます。ただし、適用には次のような条件があります。売却期限は令和9年(2027年)12月31日までで、その前提として「耐震改修工事を行ったうえで売る」または「建物を取り壊して更地として売る」必要があります。さらに、売却先は原則として第三者で、売却価格は1億円以下とされています。

これらの条件が満たされれば、譲渡所得から最大3000万円を差し引ける大きな節税効果が期待できますが、適用期限や要件が厳格ですので、慎重に条件を確認してください。

次に「取得費加算の特例」について解説します。こちらは、相続税申告に際して課された相続税のうち、譲渡した不動産に対応する部分を取得費に加算できる制度です。この結果、譲渡所得が減り、所得税・住民税が軽減されます。適用の主な条件は三つです。①相続・遺贈により取得していること、②相続税が課されていること、③その不動産を「相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日の3年以内」に売却することです。

また、取得費加算の特例を利用するためには、確定申告時に「相続税の申告書の写し」や「取得費加算額の計算明細書」、そして「譲渡所得の内訳書」などの書類提出が必要です。遺産分割協議や売却準備は、期限内に進めなければ特例を使えないことがある点にも注意が必要です。

なお、これら二つの特例は、同一の不動産に対して併用することはできません。どちらか一つを選択する必要があります。一般に、譲渡所得から最大3000万円を控除できる空き家特例のほうが大きな特典ですが、相続税額がそれ以下であれば、取得費加算の特例が有利となる場合もあります。売却の状況や相続税の額を考慮して、有利な特例を選ぶことが重要です。

以上のように、相続不動産の売却で利用できる代表的な節税制度にはそれぞれ特徴と適用の条件があります。売却時期や相続税額、所有不動産の状況等を踏まえて、自分にとって最もメリットが大きい制度を選ぶことをおすすめします。

税金額の目安やシミュレーションの見方を知る

相続した不動産を売却する際にどれくらい税金がかかるかイメージしやすくするために、ここでは主に「譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税)」「印紙税」「登録免許税」について、計算の仕方と目安をわかりやすく整理します。

税金の種類計算の要点目安
譲渡所得税(短期・長期) 売却価格-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得。これに短期(所有期間5年以下):約39.63%、長期(5年超):約20.315%の税率を乗じます(復興特別所得税含む) 譲渡所得800万円 → 税額(短期):約240万円+復興特別所得税約5万円+住民税約72万円=約317万円
譲渡所得4000万円 → 税額(長期):所得税600万円+復興特別所得税約13万円+住民税200万円=約813万円
印紙税 売買契約書に貼る収入印紙の税。契約金額に応じた軽減税率が令和9年3月31日まで適用されています。 例えば売買価格が数千万円の場合、1件あたり1万円から3万円程度。
登録免許税 相続登記の際に課せられる税。固定資産税評価額の0.4%が原則の税率です。 評価額2,000万円 → 約8万円

譲渡所得税を求める計算式は以下の通りです:

「譲渡所得=売却収入-(取得費+譲渡費用)-特別控除」

所有期間に応じた税率は、短期(5年以下)は所得税約30.63%+住民税9%=計約39.63%、長期(5年超)は所得税約15.315%+住民税5%=計約20.315%です(令和7年4月1日現在)。

たとえば、課税譲渡所得が800万円の場合、短期譲渡所得だと、所得税240万円+復興特別所得税約5万円+住民税72万円で、合計約317万円です。また、課税譲渡所得が4,000万円の長期譲渡所得であれば、所得税600万円+復興特別所得税約12.6万円+住民税200万円で、約813万円となります。

印紙税については、売買契約書の金額に応じて定められますが、現在は軽減措置が令和9年3月31日まで適用されており、例えば5000万円超1億円以下なら3万円の軽減税率が目安となります。また、一般的なケースでは数千万円の売買契約書で1万円から数万円程度です。

登録免許税は、相続登記に必要な名義変更の手続きにかかる税金で、不動産の固定資産税評価額の0.4%が基本です。たとえば評価額2,000万円の土地であれば、税額は約8万円となります。

実例でイメージしやすいように整理すると、

  • 譲渡所得が少額(例:800万円)の短期譲渡 → 税金負担は大きく感じる(約317万円)
  • 譲渡所得が多額(例:4,000万円)の長期譲渡 → 税金額は大きいが税率は抑えられている(約813万円)
  • 印紙税や登録免許税は固定的な負担として、数万円〜十数万円程度を見込む必要があります

このように、所得額と所有期間によって税金の負担が大きく変わりますので、売却前にシミュレーションすることで、税額のイメージを固めやすくなります。ご不安な場合は、専門家へ早めにご相談されると安心です。

手続きの流れと早めの対応によるメリットを意識する

相続した不動産を売却する際には、複数の登記手続きや税制上の期限を踏まえて、スムーズに進めることが大切です。まず、相続登記は被相続人名義から相続人への名義変更を行うための必須手続きです。令和6年4月1日からは義務化され、正当な理由なく遅延すると過料の対象となりますので、遺産分割協議の成立後できるだけ早めに申請することが求められます(相続登記:固定資産税評価額×0.4%)。

次に、売却前に抵当権の抹消登記が必要な場合、一件あたりの登録免許税は千円程度で済むため、早めに抵当権を抹消しておくと手続きが円滑になります。

さらに、税制上の特例を有効に活用するには期限が重要です。相続税の取得費加算の特例を使うには、相続開始から3年10か月以内に売却を完了する必要があります。つまり、相続税申告期限(相続開始から10か月以内)から数えておおむね3年内に売却しなければ、この特例は適用できません。

同様に、「被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除」つまり空き家特例(最大3千万円控除)を活用するためには、相続後3年以内に売却を完了させる必要があります。

このように、特例を逃さないためには、手続きや売却準備に余裕を持って着手することが大切です。書類準備や見通しがつかない場合には、専門家である税理士や司法書士へ早期に相談することをおすすめします。複数の制度や手続きが絡む場面では、書類漏れや期限超過による不利益が生じやすいため、専門家の支援を受けることで安心して進められるようになります。

項目内容
相続登記義務化され、遅延には過料。固定資産税評価額×0.4%の登録免許税が必要。
抵当権抹消登記売却前に抹消必要な場合あり。不動産1件につき千円程度の登録免許税。
特例の期限取得費加算の特例:相続開始~3年10ヶ月以内。空き家特例:相続後3年以内。

まとめ

相続した不動産を売却する際には、複数の税金が発生しますが、主な税種やそれぞれのポイントを理解できれば、無駄な負担を避けることができます。特例を正しく活用すれば、大きな節税効果が期待できるため、制度の内容や条件、期限を意識して対応することが何より大切です。手続きや税額試算の方法もシンプルに把握できますが、少しでも不安な点があれば、専門家に早めに相談することで安心してスムーズに売却を進められます。不動産の相続売却は事前準備できることが多いため、ぜひ計画的に取り組んでください。


稲城市の不動産なら、母と娘によるまごころ不動産へ!

お問い合わせはこちら

”不動産相続”おすすめ記事

  • 相続不動産の売却時に知りたい注意点は?手続きや税制のポイントも解説の画像

    相続不動産の売却時に知りたい注意点は?手続きや税制のポイントも解説

    不動産相続

  • 相続不動産の売却費用はどれくらい必要?相場や内訳の目安を解説の画像

    相続不動産の売却費用はどれくらい必要?相場や内訳の目安を解説

    不動産相続

  • 相続不動産の売却はいつがよい?適切な時期や注意点を解説の画像

    相続不動産の売却はいつがよい?適切な時期や注意点を解説

    不動産相続

  • 不動産の相続登記費用はいくらかかる?手続きや費用のポイントも紹介の画像

    不動産の相続登記費用はいくらかかる?手続きや費用のポイントも紹介

    不動産相続

  • 不動産の相続、初心者は何から始める?手続きや準備の進め方も紹介の画像

    不動産の相続、初心者は何から始める?手続きや準備の進め方も紹介

    不動産相続

  • 不動産の相続トラブルを回避するには?準備や手続きの基本を紹介の画像

    不動産の相続トラブルを回避するには?準備や手続きの基本を紹介

    不動産相続

もっと見る