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法人と個人で不動産購入する時の節税は?融資のレバレッジや現金購入の違いも解説

不動産投資のイロハ

髙谷 千賀子

筆者 髙谷 千賀子

不動産投資をすることで自身の生活に潤いを持てたことが不動産会社を興した理由です!
投資の世界で「卵を一つの籠に盛るな。」という言葉がありますが、収入の柱は何本もあった方がいいと思いますし、その中で投資の必要性をとても感じていましたが、投資の中でも不動産投資がとても面白く事業として考えられたので、ぜひ不動産投資の良さを周りの方々に知っていいただきたく活動しております!


不動産を購入する際、「節税効果」は多くの方が気になるテーマです。法人で購入すべきか、個人で購入すべきか、現金で支払うのが有利なのか、融資を活用した方が節税しやすいのか――この記事では、不動産購入時に知っておくべき税率の違いや、法人・個人それぞれの融資活用がもたらす節税メリットを、わかりやすく解説します。節税の観点から、最適な選択をしたい方はぜひご覧ください。

法人・個人での不動産購入における税率の違いと節税メリットの基礎

不動産を購入・保有する際、「個人」と「法人」では適用される税率や節税手法に大きな違いがあります。まずは両者の税率構造と、それに伴う節税メリットをしっかり理解しておきましょう。

個人が不動産所得を得た場合、所得税は累進課税制度が適用され、課税所得が増えるほど税率も上がります。現在、所得税は5%〜45%の幅があり、さらに住民税(約10%)が課され、最大で約55%にもなります。

一方法人の場合、不動産による所得には法人税・法人住民税・法人事業税が課されます。中小法人(資本金1億円以下)が課税所得800万円以下の場合の実効税率は約15%、800万円超では約23.2%です。例として、課税所得900万円程度なら、個人では所得税+住民税で約43%に達しますが、法人では約33%に抑えられ、法人の方が税負担を軽減できる場合があります。

さらに法人化することで、経費の計上手法や減価償却の運用にも柔軟性が生まれます。個人では法定耐用年数に従って強制的に減価償却する必要がありますが、法人では任意償却といって、償却費を年度ごとに調整でき節税に活用しやすくなります。

また、経費として家族への役員報酬や退職金、法人保険の支払いなどを幅広く損金計上できる点も大きなメリットです。

比較項目個人所有法人所有
税率(高所得者の場合)最大約55%(所得税+住民税)約15〜23%(中小法人)
減価償却強制償却(法定償却)任意償却で調整可能
経費計上の幅限られる役員報酬・退職金・法人保険など幅広く可能

このように、一定以上の所得や投資規模がある場合、法人化することで税率面・経費計上の柔軟性・損益の調整力など、多くの節税メリットが期待できます。とはいえ、法人設立・維持にはコストや手間も生じるため、まずは自身の所得状況や投資規模をもとに慎重に検討されることをおすすめします。

融資を活用したレバレッジ戦略と法人・個人の違い

不動産購入におけるレバレッジ戦略とは、融資を活用して自己資金を効率よく運用し、投資効果を高める手法です。この章では、法人による融資の利点と留意点から、個人の現金購入との比較、そして法人でレバレッジ活用した際の節税・資金効率について整理して説明します。

まず、法人による不動産担保ローンや事業用融資は、個人に比べて社会的信用の面で審査が通りやすく、融資枠が比較的大きい点が特徴です。法人格により、情報公開や会計処理が厳格であることが金融機関からの信頼につながります。特に複数の金融機関を活用する戦略(メガバンク、地方銀行、信用金庫の使い分け)や、SPC(特別目的会社)の設立によるリスク分散と柔軟な資金調達も可能です。

次に、個人が現金で購入するケースでは、金融機関からの借入がないため金利負担や審査・保証手続きが不要であるというメリットがあります。ただし、融資を活用しない場合、手元資金の多くを物件購入に充てざるを得ず、手元資金の流動性が低下するほか、不動産投資を通じた経費計上(減価償却費、ローン利息など)による節税機会も限定される点に注意が必要です。

一方、法人でレバレッジを活用する場合、自己資金を温存しつつ融資によって多くの物件を取得可能であるため、資金効率が高まります。また、法人では融資利息が経費として認められ、減価償却や家族への役員報酬・退職金の計上などにより課税所得を圧縮しやすく、節税面でもメリットが大きいです。

比較項目法人+融資個人+現金購入
融資利用可能。信用力高く融資枠大、経費計上可なし。自己資金で購入、金利・審査不要
資金効率高い。資金温存しつつ複数物件取得可能低い。資金が一物件に集中
節税効果高い。利息や減価償却、給与・退職金経費計上可限定的。経費計上少なく減価償却活用も限定

結論として、節税と資金効率を重視する購入者にとっては、法人を活用して融資によるレバレッジ戦略を取ることが有効です。融資による利息負担は経費となり、現金を手元に残して別の運用機会にも活かせますし、法人の経費計上幅の広さや減価償却の調整可能性が、節税効果をさらに高めます。

現金購入のメリット・デメリットと節税との関係

不動産を現金で購入する際には、金利負担や融資審査に関わるストレスから解放され、手続きもスムーズに進む点が大きなメリットです。たとえば金利や融資事務手数料、保証料など融資に伴う費用が不要となり、月々のキャッシュフローにも余裕が生まれます。また、売主が現金決済を歓迎するケースでは、交渉次第で物件価格そのものが割引になる場合もあります。

一方で、現金購入にはレバレッジ(てこの原理)を活用できないため、少ない資金で大きなリターンを得る効果が期待できません。自己資金が大きく減ると、資金回収に時間を要し、高額な物件ほど手元資金の圧迫というリスクも高まります。

さらに税務面では、現金購入では住宅ローン控除などの税制優遇が利用できず、相続税対策や所得税・住民税の控除機会が減少する点にも注意が必要です。特に高額物件を一括現金で購入した場合、税務署から資金の出所確認を目的とした問い合わせが来る可能性もあるため、購入資金の根拠をきちんと準備しておく必要があります。

節税効果を重視する場合、現金購入でも法人名義での取得を検討する価値があります。法人なら減価償却を任意に調整でき、経費計上幅が広がるため、租税負担を抑えながら資金効率を高められる可能性があります。あるいは、融資を組みつつ運用し、手元資金を温存しながら法人経由で取得するといった選択肢もあります。

以下に現金購入(現金一括)と融資活用の違いをまとめました。

項目 現金購入の特徴 融資活用の場合
キャッシュフロー 金利・ローン返済なしで余裕がある 返済負担あり/レバレッジ効果で効率的運用が可能
購入スピード 審査不要で迅速に購入可能 審査・手続きに時間がかかる
税制上の優遇 住宅ローン控除などが利用不可(節税機会が減少) 控除制度の活用が可能。資金計画に応じた節税策が検討可

節税を最大化するための選択肢の比較と判断ポイント

節税効果と資金運用の柔軟性、事務負担などを比較して、自分に合った方法を選びやすいように、以下に法人保有+融資活用、法人保有+現金購入、個人保有+現金購入の3つのパターンを表形式で整理しました。

パターン 節税効果 キャッシュフロー影響・事務負担
法人保有+融資活用 法人税率での税負担軽減、減価償却や経費計上の幅広さ、欠損金繰越10年で長期対策 融資による資金流動性確保、法人設立・維持コストや決算事務の負担あり
法人保有+現金購入 経費計上と減価償却の自由度あり、法人税適用メリットあり 手元資金の流動性低下、法人設立コストおよび管理負担はある
個人保有+現金購入 減価償却は可能だが、累進課税で高所得ほど税負担が重くなりやすい 融資手続き不要でシンプルだが、節税手段や経費計上の幅は狭い

この比較から、具体的な判断軸として以下のように整理できます。

  • 収益性や所得水準が高く、税率低減や経費計上を重視する方は「法人保有+融資活用」が最適です。法人税率や経費計上の広さ、損失の繰越制度を活用し、長期的に節税できます(法人税率は約15〜23%、個人は累進課税で最大45%以上)
  • 資金に余裕があり、融資無しでも法人化の恩恵を受けたい方は「法人保有+現金購入」が選択肢になります。法人固有の経費・減価償却の調整が可能で節税効果がありますが、設立・維持コストや手間はかかります
  • 節税よりもシンプルさや手間の少なさを重視し、購入規模が小さく始めたい方には「個人保有+現金購入」が向いています。ただし、節税効果は法人に比べて限定的で、特に高所得者は税率が高くなる傾向です

判断にあたっては、以下の観点を明確にすることが重要です。

  • 現在および将来の想定所得水準(高所得であれば法人化による税率メリットが顕著)
  • 自己資金の余裕と融資の活用可能性(融資を活用できればキャッシュフローの効率化が図れます)
  • 法人設立・維持にかかる費用や税務・決算の負担を許容できるかどうか
  • 長期運用や規模拡大、相続まで見据えた節税戦略の有無

これらをもとに、ご自身の所得水準や資金状況、節税目的に応じて、最適な選択肢をご判断ください。

まとめ

不動産購入に関する節税効果を最大化するためには、法人と個人それぞれの税率や経費計上の違いを理解したうえで、自身に最適な方法を選ぶことが重要です。法人化や融資の活用は、手元資金を温存しつつ節税の幅を広げる手段となりますが、事務負担やコストも生じます。一方、現金購入はシンプルで余計な手続きが不要ですが、節税機会が減る可能性があります。どの選択肢も一長一短があり、自分の所得や目的に応じて慎重に判断しましょう。正しい判断が将来の資産形成につながります。


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